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ラクシアの輸送・物流手段を考える - SW2.0マスタリング考察

TRPG > ソード・ワールド2.0 2020年12月22日(最終更新:4月前)

友「次回のセッションは、卸業者の代わりにワインの仕入れに行って貰う話にする予定なんだ」
僕「ワインの仕入れ、ということは樽の運搬だな? 足は用意できるのか?」
友「え、馬車じゃダメかな?」
僕「液体なら単純計算でリットル=キログラムだ。PTの拠点と産地の位置を考えると山越えになるぞ?」
友「あー、そうかぁ」
僕「いやそも卸業者は普段どうやって運搬してんだ??? むしろラクシアの物流はどうなってやがる???」

となったので、中世時代の物流について調べ、ラクシアの物流について考えてみた次第。

現実に存在した物流手段

駄獣

現代の物流といえばトラックです。
ガソリン・電気自動車の存在しない中世、乗り物として真っ先に思い浮かぶのは馬だと思います。

が、馬は荷物の運搬には不向きです。
馬が無理せずに運搬できる重量は90kg程度だそうですが、後述の駄獣に比べると耐久力に劣るため、キャラバン等では先導役として使用されていたとのこと。

また、マイクラ民なら「荷運びといえば馬よりロバでは」とすぐに考えつくことだと思います。
ロバは馬と比較して耐久力があることが特徴です。
しかし、ロバは体が小さいため、馬よりも一度に運ぶことのできる重量は少なかったとのことです。だいたい50kgくらい。

そこで、馬とロバを掛け合わせた「ラバ」が、アジアやトルコなどのキャラバンの主役だったそうです。
運べる重量はおよそ80kgで、耐久力があり、高低差のある地形にも強いとのこと。
一方で砂漠地帯の物流の主役といえば、ラクダでした。一頭で130kgの重量を運ぶことができるとされています。とても強い。

馬車

一方、馬車となれば運べる重量はかなり増えます。
こちらのサイトによると、舗装されていない道を馬車で走る場合、馬はだいたい自分の体重程度の重量を引くことができるとのこと。馬の体重は0.8~1t以上ということで、ざっくり1tの馬車を牽引できるということになります。強い。
ただし前述しましたが、馬には耐久性がないため、長距離を歩かせる場合は二頭、四頭など多頭立ての馬車を用いるようです。

また、馬車自体にかなりの重量がある、という点も考慮しておくべきでしょう。
調べた範囲で当時の荷馬車の重量を知ることはできませんでしたが、現代の馬車の場合、一人乗りのスポーツ用でも300kgありました。
600kg~豪華なものなら1t超えのものもあるようなので、貴族の馬車は十全に舗装された街中の道でなければ二頭立て以上が基本だったんだなぁと認識。

閑話休題。
現代の大型リアカーの重量が300kg(荷)/40kg程度ということで、ちょっと無理やりな計算になりますが、一人乗りの馬車にこの重量を足してみましょうか。
ワイン樽(ボルドー・バレル)の重量が255Lで約100kgとのことなので、総重量355kg以上。馬車と合わせて700kg以上になりますね。
冒頭のやり取りの回答になりますが、一頭立ての馬車の限界が1tとすると、馬一頭馬車付きで運べるワイン樽はボルドー・バレルが1つ~2つと概算してしまいましょう。
めちゃくちゃざっくり計算ですが…(;^ω^)

とはいえ、車を用いるということは、それに耐えうる道も必要です。
中世ヨーロッパでは道路を整備することができず、ローマ時代の道路を使用し続けていたなんて話もあります。
ラクシアの場合は魔動機文明期の道路が残っているか、残っていない場合は車が通れる程度の道が整備されているか、これらが重要になってくるようです。もちろん、蛮族や野盗の襲撃への対策も。

河川

さて、現代日本人には見落とされがちですが、中世以前の物流の主役は「川」でした。

外国では現在でも川に小舟を浮かべて荷物を運搬する地域があります。
以前にテレビで見たのは、上流に住む村唯一の雑貨屋が、週に一度、下流の町で物資を仕入れ、上流まで川を遡っていく映像でした。

そう、川を遡るのです。
川の流れに逆らうというのは素人目には非効率的な行為に見えますが、陸路を行くより遥かに効率の良い物流手段でした。

日本の話になりますが、こちらの論文によれば

馬一頭が運べる俵は2俵(120kg)、人力車(大八車)は3俵(180kg)なのに対し、小型の川舟は45俵(2,700kg)の運搬が可能だった

とのこと。
圧倒的じゃないか…

そりゃあ、中世以前の都市が川を中心に発達するわけです。
こういう話はブラタモリとか見るとよく出てくる。

とはいえ小型の川舟と言われてもサイズ感が分からないので調べたところ、こちらのサイトに画像付きでありました。
6m×1.20m、深さ0.27m、重さ200kgの舟で、耐重40俵(2,400kg)とのこと。

なお、川を上る際の動力としては、人力の他に帆を使用していたものもあったそうです。川でも帆船を使っていたんですね。

当然ですが、流れの速い川を遡ることはできないので、その場合は馬や牛に陸路を牽かせていたそうです。

物流の速度

ここまでで「どれくらいの重さを運搬することができるのか」はだいだい想像することができたと思いますが、これらは一日でどの程度の距離を移動することができたのでしょうか。

で、調べてみたところ、先駆者がいました。さすが。

馬車の速度はだいたい人が歩くよりちょっと速いと考えて良いようです。
これは積載状況にも左右されますが、そもそも馬車護衛のことを考えると、普通に考えて人は馬車の外を歩いているので…
それも踏まえて、だいたい馬車運搬の速度は人間の歩く速度と同程度とできるでしょう。

また、こちらのサイトによると、「足の速い商隊」の移動速度がだいたい40km/日だったそうで。

これらから、陸路の場合の物流速度は(プロが行う場合)30~40km/日と結論付けました。

河川運搬の場合、速度は船の形や水量によって左右され、水が少なければ下り6~7km/h、上り4km/h程度。
水が多ければ下り12km/h、上り2km/h程度だそうです。参考サイト

ラクシアならではの物流手段

さて、ここまでは単なる中世の物流を超ざっくり捉えたただけです。
問題はここから。現実には存在しない、ラクシアならではの輸送手段を考えます。

幻獣(空輸)

ラクシアには、人間を背に乗せて空を飛ぶことができる生き物がいます。
空を飛ぶことで移動・輸送がどれだけ便利になるかについては今更語る必要もないでしょう。

さて、ルールブックを見てもそれぞれの騎獣がどれだけの重量に耐えることができるか、という記載はないため、以下のルールを参考にしましょう。

・全ての騎獣は、騎手以外のキャラクターを1人、同乗または搭載状態にすることができる。

これにより、一般の騎獣の耐重能力は「馬と同様」として扱えるとします。
空輸の場合は車輪が意味をなさないので、100kg前後の荷物を安定して運搬できるということです。

とはいえ、この計算方だとフル装備の冒険者1人が50kg程度という話になってしまいますね…
うーん、それは考えにくいですね。ルミエルレガシィを読んでも二人乗りを長時間行ったときのペナルティは記載されていませんし、先の論文の記載を信じて馬を含めたラクシア騎獣の最低保証を俵2つ・120kgとしておきましょうか。
騎手とは別に、60kgの荷物を積載できるという解釈です。

また、レッサードラゴンになると搭載=2体を持つため、明らかに120kg以上の重量を運搬することができます。
というかレッサードラゴンの規模になると、搭載数は耐重というより、搭載された状態で充分に動くことができるか、という話になってくるように思います。

ここでも体重1/10論(馬は耐重の1/10までなら長時間問題なく牽引できる)は応用できそうに思いますが…
いや、ドラゴンの体重って何キロやねん!? ですよね。幻想生物の身長はともかく体重なんて昔の人そこまで考えてないよ…

ドラゴンの体重

例えばポケモンの代表的なドラゴンタイプであるカイリューは、身長2.2m・体重210kgです。
いや、軽いな!? 馬の体重が1t前後だと言うたところだというに!

うーん、ポケモンは参考にならないですね。とはいえ、他にドラゴンの重さを定義した作品は見当たらない…

ということで、ここは恐竜に視点を当ててみましょう。
ワイバーンなどは翼竜の方が近いですが、ドラゴンとなると大型肉食獣の方が体格が近いですね。

ということでティラノサウルスを調べてみると、成体で11~13m、6~9t程度だそうです。
対してラクシアのドラゴンの身長はどれほどのものか…。手掛かりになるのはルミエルレガシィのカラーページにある、レッサードラゴンライダーのイラストでしょうか。正確に測定することはできませんが、ライダーの体格と比較すると、全長10m程度くらいはありそうな感じがします。
あくまで仮定の域を出ませんが、レッサードラゴンの体格はティラノサウルス程度と解釈できます。

前述の理論を当て嵌めるならレッサードラゴンが長期的に運搬できる重量は600kg強という裁定になります。
ボルドー・バレル2樽だとちょっと多いくらい。つまり、1頭の馬車で運べる重量とほぼ同じということに。

ドラゴンの運送屋というと、個人的にはFE暁のハール隊長を思い出します。

魔動機(バイク)

さて、ラクシアにはルキスラ帝国からダーレスブルグ公国まで1日でかっ飛ばせる魔動バイク、さらには時速50kmで空を飛べるスカイバイクなるものの存在があります。

現代日本の道路交通法的には、バイクの積載上限は60kgです。これは乗り手とは別の積載量なので、つまり馬と全く同じ数値に。これは処理が楽で良いや。採用。

収納ブレスレット(30,000G)

物流といえばこれを忘れてはいけませんね。魔法文明期アイテムの収納ブレスレットです。
こちらは重さ無制限、直径2m×高さ3mまでの無生物を自由に出し入れできます。(寸法が円筒なので注意)

255Lワイン樽の寸法が直径0.7m×高さ0.95mなので、余裕で入りますね。
むしろ当時は収納ブレスレット用コンテナとかあったんじゃないかと想像してしまいますね。

元手がたんまりあるなら、収納ブレスレットをいくつも装備して身一つで動く運送屋が営めそうです。維持費は安い!

…と言ったら友人が収納ブレスレット運送NPCを本気で検討し始めたので釘を刺しておくと。
PCはガメルがあれば希少品でも問題なく手に入れることができますが、希少品は希少だから高価なのです。PCは常に奇跡的な幸運に恵まれているのです。一般的にはお金があれば数を揃えられるというものではないのであしからず…w

まとめ

ラクシアの平原地帯(山岳・砂漠地帯は話が変わってくるので)に於いて、有効な運搬技術は、「駄獣(陸運)」「馬車(陸運)」「駄獣(空輸・幻獣)」「魔動機(陸運または空輸)」「水運(船または幻獣)」。
水運は最も効率的な物流手段だが、それに適した川があることが条件となる。
2体以上の搭載を持つ騎獣や貴重なアーティファクト・高度な移動魔法を除いた場合、最も大量の陸運が可能なのは馬車だが、馬車が通れるだけの道が整備されている(残っている)ことが条件となる。
町の外では常に蛮族の襲撃リスクがあるため、護衛役が必須となる。

また、貨物の運搬に関するデータ的なルールは以下のように裁定できる。

・一般的な騎獣が運搬できる重量は、騎手を含めずに60kg。騎手が乗らないなら120kg。
・魔動バイク、スカイバイクで運搬できる重量も、騎手を含めずに60kg。
・騎獣で馬車を牽く場合、運搬できる重量は馬車本体を含めずに600kg。※道の状態に注意
・レッサードラゴンの運搬できる重量は騎手を含めずに600kg。

※上記数値は長時間の運搬・騎獣への負担を配慮した数値となるため、短距離であったり乗り潰したりする場合はこの限りではない。

今回はちょっと強引な部分が目立ちますが、SW2.0のための裁定としてはこんなところで良いと思います。

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